2008.03.25 Tuesday
帰ってきたグリーナウェイ
ピーター・グリーナウェイの新作「レンブラントの夜警」がいよいよ松本でも上映されます。前回の「81/2の女たち」からはや8年。待ちに待った新作です。
キュレーターとして美術にも関わるグリーナウェイが掘り起こすドラマはレンブラントの生涯に新たな光を当て、サスペンスタッチの軽やかな進行は観るものを飽きさせません。しかし、そのようなドラマだけが見所ではありません。
グリーナウェイ監督がずっと探求し続けてきた構成の美、カメラワーク、音楽家マイケルナイマンとのコラボレートも健在で、映画という総合芸術を心から味わうことが出来る作品となっています。
絵画と映画の共通点を見出すグリーナウェイ監督が織り成す映像美は、絶対に大きなスクリーンでなければ味わうことが出来ません。
昔からのグリーナウェイファンもまだ観たことのない方もぜひ劇場まで足を運んでいただきたい作品です。
2008.03.02 Sunday
進化し続けた作家・黒木和雄
この前の続きです。
一人の作家、小説家だろうが映画監督だろうが、その人の作品暦をたどってみると、その人となりの全貌が浮かんできます。
この際、映画監督ということに絞って考えて見ましょう。そういうのはフィルモグラフィーと言って、ズラーと並べてみるとなるほどと分かります。例えば小津安二郎、戦後の作品の中でも原節子主演の三部作「晩春」「麦秋」「東京物語」を頂点に、後はどうでもいいように思われるし、黒澤明なら「赤ひげ」以降、今村昌平なら「神々の深き欲望」以降は成長停止したと思われる点(あくまでも筆者の私見ではありますが)が気になります。
その点、黒木監督は老いて尚成長と言うか、進化し続けていると思われるのは驚異というしかありません。特に晩年、自分と戦争の係わり合いについて見つめ直し、作られた一連の戦争レクイエムシリーズは、渾身のメッセージを込めて、観客に訴えかけています。われわれは彼が、作家として歩まねばならなかった、その軌跡に打たれるのですね。
ですから、黒木監督が没後も敬愛され、テレビでも追悼番組が何本も作られて放送されていますし、信州の片田舎の上映団体が、彼の作品を特集して上映しようとする秘密は、その辺にあるのかもしれません。
今回、われわれは彼の「歩み始め」にスポットを当てました。
見事に、晩年に到る「片鱗」を見せてくれます。映画という手段に立ち向かい、格闘の生き様が、ここに現れています。
特に注目は、めったに見られない岩波映画時代のPR 映画です。その映像美に圧倒されます。でも、それだけじゃないのですけどね。
ゲストを迎えての上映、ご期待ください。
2008.02.28 Thursday
SILK/シルク
松本市の入山辺のオープンセットで「EPK」という宣材制作のお手伝いをさせていただいたのに、試写室、酒井プロデュサーが来松しての試写とタイミングが合わずに見逃していた「SILK/シルク」終了間際になりやっと観賞。
制作進行の方のご好意でエンドクレジットに「NPO COMUNITY CINEMA MATSUMOTO CINEMA SELECT」としっかり載せていただいていました。
多分セットで二番目にお金がかかっている「鳥かご」を模した建物の中でM・ピットと役所さんが絡むシーンが本編からカットされていてびっくり。
動物商から数百羽のインコ・オオムを借りて結構手間をかけていたシーンだったし、建物の造形美はセットの中で一番目を引く物だったのに映画の中では遠景のみ、大工さんショックだったと思います。
ロケ隊が松本に入っていた時はM・ピットと飲みやで遭遇したり、松本ロケ打ち上げパーティでは役所さんと話をさせていただいたり身近な作品と感じていたので、映画の出来はもう少し何とかして欲しかったですね。
「セレクト」はこんな形でも「映画」に係っています。
ということのご報告でした。
2008.02.20 Wednesday
追悼黒木和雄監督初期傑作選
先日、20年目にして松本初公開、松井良彦監督の「追悼のざわめき」の上映会があり、監督が来松しました。20年前の観客に衝撃を与えた作品も、時の流れとともに、現在の観客は「優しい心を持った映画」と捉えていたようで、監督の心配(作品そのものとか、描写が嫌われるのではないか)とは違った見方が大勢を占めていたようで、「断固拒否する」なんていう意見は出ませんでした。わが意を得たりの監督は、過激な映画とは裏腹の大変やさしい方でした。ちょっと、作品「追悼のざわめき」と、作者の人となりとのギャップにとまどいましたけど。もう少し観客が来てくれれば言うこと無いですがね。
そこで、「追悼」つながり?で3月は黒木監督作品の登場です。
1日に上映の「竜馬暗殺」は見逃せません。私個人としてはこれが彼のベストワンと考えます。もちろん晩年の戦争レクイエム3部作も素晴らしいですが、混沌とした幕末の状況が製作された70年初頭とダブって、暗殺されるまでの焦燥感が観客の心を打ち、映画的に過不足なく見事に作られていると思います。
作劇法として、結果が分かっていることを、その結果までを丁寧に見せるというやり方は、「TOMORROW/明日」に継承されてます。見ているほうはつらいですけどね。
私は黒木さんが、映画の上映後のトークショーで、お話を聞いたことが3回あります。1、草月会館、アーサー・ペン「逃亡地帯」。2、新宿文化、ゴダール「勝手にしやがれ」。3、シネフロント、自作「美しい夏キリシマ」私が観客として聞いたこれらは、時間的には約40年の間隔がありますが、各々当時黒木さんが感じていたことを率直に話されていたと思います。例えば1番目ではアメリカンヒューマニズムにだまされるなとか、2番目では、何でもありといえる映画の作り方について啓示を受けたとか、3番目では戦争レクイエム3部作に触れ説明されました。全員が死んでしまう。全員が生き残る。一人は生きてて、一人は死んだ幽霊。という図式になりますというお話しに、ひどく納得したものでした。
とりあえず「竜馬暗殺」見逃す無かれ。 (続く)
2008.01.21 Monday
侵入
昨晩、ある方のホームパーティにお招きいただきました。
場所が何と!「中劇」の跡地に建ったマンションの一室。
場所が場所なので、私を誘ってくれた方も気を使っていただいたのですが。
「この辺りがロビー」「ここがシネサロン」と部屋にたどりつくまで色々と
思いを巡らせ・・・。
イャー。久しぶりに酔っ払いましたね。
半端じゃなく・・・。
窓から見える「松本」はつまらなかったです。
ホームパーティは凄く楽しかったです。料理人がキッチンに入り。シャンパン片手に・・・。庶民の私には思わず「映画」みたいと思ってしまいました。
ドキュメンタリー特集は、いつものお客様とは違った方が多く観に来て下さいました。NPOとして活動しているのでこれからも多種多様な作品を(昼間の上映も含め)上映していきます。
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